1. 帝釈天 : Shakro Divanam Indra
寅さん映画で有名な東京葛飾・柴又の帝釈天。仏教を守る12の神々を十二天(Twelve Devas)と呼ぶが、その中でも梵天(Brahma-Deva)と並んで人気の神。インド最強の武神・インドラの別名で、象に乗って魔物と戦う仏像界ナンバーワンのイケメン様。
2. お盆 : Bon festival
年に1度、あの世(浄土)からこの世(現世)に帰って来る故人や先祖の魂を迎えて供養する行事で、正式名は盂蘭盆会(うらぼんえ)。日本で古来から信仰されていた神道に中国伝来の仏教が混ざったのが今の仏教なので、「お盆」は神道にも仏教にも共通しており、本来は霊への供物を置く容器である「お盆」を意味する。先祖が早く帰って来れるようにナスやキュウリで作る乗り物は精霊馬(しょうりょううま)と呼ばれる。
3. 棺桶 : Coffin / Casket
西アフリカのギニア湾に面したチョコレートで有名な小国・ガーナは葬式天国。魚やエビ・鳥や飛行機など、故人が好きだった形の棺桶に入れた一世一代のゴージャスな葬式には海外から見物に来るほど。さぁ貴方はどんな棺桶に?
4. 袈裟 (けさ) : Buddhist stole
僧侶が着ている制服を法衣(ほうい・ほうえ)と呼ぶが、上着のように肩から斜めに掛けているカラフルな布を袈裟と呼ぶ。袈裟の色で僧侶の階級が分かり、一般的には緋色(明るい赤)や紫が高位とされる。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」は英語で“He who hates Peter harms his dog.”(ピーターを憎む人はその犬をイジめる)。
5. 外道 (げどう) : Heretic
仏教の信者から見た他宗教の教え、またその信奉者・異教徒のこと。仏教用語で悟りを得るという意味の内道(ないどう)に対して外道と呼ばれるが、マンガなどで刑事が凶悪犯に「このド外道がぁあ〜!」と怒鳴り付けるほどの悪い意味はない。魚釣りで本命の魚以外に釣れた魚も外道と呼ばれ、英語では “Bycatch”。
6. 五体投地 : Prostration
両手・両膝・額の「五体」を地につけて祈る方法。文字通り全身を地面に投げ出す様子はインド仏教やチベット仏教に取り入れられ、最も丁寧な礼拝方法とされるが、日本でも深夜の繁華街などでよく見られる。
7. 護摩・護摩行 : Homa / Holy fire
お供え物を燃やし、炎の前でお経を唱えながら仏に祈りを捧げる修行。広島カープ・そして阪神タイガースOBで、両チームのファンから大人気の新井さんが現役時代から引退後も続けている。「優勝したい!」という煩悩までも焼き尽くすため、広島も阪神もなかなか日本一になれない。
8. 写経 : Hand-copying sutra
仏様の有難いお経をひたすら紙に書き写す修行で、奈良時代の日本で始まった。心の修行によりスッキリ爽やかな気持ちになるのが目的だが、精神の安定や脳の活性化、さらにはダイエットにも効果があるとされている。お手本として手っ取り早いのは文字数が300字にも満たない般若心経。さあ貴方もたった1時間で悟りの境地に!
9. 浄土真宗 : The True Pure Land Buddhism
浄土宗の開祖である法然の教えに反して親鸞が立ち上げた新しい宗派という理解は誤りで、むしろ法然の入滅後に入り乱れた宗派の中で、頑なに法然の教えを守ったのが浄土真宗。西本願寺を本山とする本願寺派と東本願寺の大谷派があり、寺社数は1万8千以上と日本最大の仏教勢力。本尊は阿弥陀如来で脇侍は左に蓮如・右に親鸞と超豪華なキャスト。
10. 脇侍 (わきじ・きょうじ) : Flanking attendant
信仰の中心となる仏の両脇に控え、仏と人々の悟りをサポートする存在。菩薩・明王・天部などと呼ばれ、例えば浄土宗・浄土真宗では本尊が阿弥陀如来・脇侍は左が蓮如上人で右が親鸞聖人となっている。ルパンと行動を共にする次元と五ェ門、キャンディーズのミキちゃんとスーちゃん、お笑いのレツゴー三匹ではじゅんと長作。ちなみに真ん中は「三波春夫」ではない。今ごろは三人仲良く冥土の民を笑わせている事でしょう...合掌。仏教英語ハンドブックより